ホームページの見積書で、金額より先に見る3か所
見積もりの内訳をどう読むかは、別の記事に書きました。ここでは、金額欄よりも先に見ておきたい場所の話をします。あとで困るのは、たいてい値段以外のところです。
まず、名義を確かめる
ホームページには、いくつか「持ち主」が決まるものがあります。ドメイン(◯◯.comのような住所)、サーバーの契約、Googleビジネスプロフィール、アクセス解析のアカウント。これらが誰の名義になるのかは、見積書には書かれていないことが多いです。
制作会社の名義のまま進むと、その会社と離れるときに何も持ち出せません。ドメインが向こうの名義なら、同じ住所を使い続けることもできなくなります。何年もかけて検索で拾われるようになった住所を、手放すことになります。
確認は一言で済みます。「ドメインとサーバーの名義は、こちらになりますか」。この質問に、はっきり答えられない相手とは、金額の話に進まないほうがいいと思います。聞かれて嫌がるかどうかも含めて、一つの判断材料になります。
ドメインは、思い立ってもすぐには引っ越せない
名義がこちらにあっても、管理する業者を変えるには手続きがいります。世界共通のルールとして、ドメインは最初に登録してから60日のあいだ、他の業者へ移せません。前に移したことがある場合も、その移管から60日は同じです。
移すときには認証コード(AuthInfoコードと呼ばれます)が必要で、これは今の管理業者から出してもらいます。つまり、相手の協力なしには動かせない部分がある、ということです。今日決めて明日引っ越す、という話にはなりません。
もうひとつ、更新料に気をつけてください。ドメインは1年目だけ安く、2年目から金額が上がる料金設定があります。初年度の数字だけで比べると、あとで思っていた額と違うことになります。
追加費用が出る場所は、だいたい決まっている
見積もりの総額が安く見えても、あとから足されるものがあります。よくあるのは、写真の撮影、文章の作成、ページの追加、公開後の修正、問い合わせフォーム、予約の仕組み、多言語対応です。
なかでも先に決めておきたいのが2つ。「公開したあとの修正は、何回まで、いつまで無料か」と「載せる文章は誰が書くか」です。この2つが曖昧なまま進むと、公開直前に金額が動きます。文章はお店側で用意する前提になっていることが、わりとあります。
毎月かかるお金についても、内訳を聞いてください。サーバー代は、作り方によっては月に数百円、無料の範囲で収まる場合もあります。何にいくらかかっているのかが分かれば、高いか安いかは自分で判断できます。
保守費は、中身を書いてもらう
保守費という項目は、中身が会社によってかなり違います。更新作業が月に何回まで含まれるのか、不具合が起きたときに対応してもらえるのか、バックアップは取られているのか、SSL(鍵マーク)の更新やソフトの更新は入っているのか。
「何もしていないのに毎月払っている気がする」と感じるのは、たいてい中身が書かれていないからです。逆に、箇条書きで並んでいれば、払っている意味がはっきりします。
見積もりの段階で「保守に含まれるものを、箇条書きで書いてもらえますか」と頼んでみてください。そこで整理してくれる相手なら、公開後のやり取りもだいたい楽です。
やめるときの手順を、始める前に聞く
契約を始める前に、終わり方を聞くのは失礼ではありません。解約はいつまでに伝えればいいのか、データは渡してもらえるのか、作った文章や写真は自由に使えるのか。
このあたりを先に確かめておくと、途中で関係がぎくしゃくしても、落ち着いて離れられます。そして実のところ、この質問への反応が、その相手と長く付き合えるかどうかをいちばんよく表します。
長く使うものだからこそ、最初の一枚の紙を丁寧に読む価値があります。金額の比較は、そのあとで十分に間に合います。
この記事のまとめ
- ドメインとサーバーの名義がこちらかどうかを、金額より先に確認する
- ドメインは登録から60日は他社へ移せない。移管には認証コードが必要
- 追加費用は「公開後の修正」と「文章を誰が書くか」で発生しやすい
- 保守費は箇条書きで中身を出してもらう。やめるときの手順も先に聞く