値上げを決めたあと、直す場所が5つある
お知らせの文章をどう書くかは、別の記事に書きました。ここでは、その前後にやることの話をします。実際にもめるのは、文面ではなく直し忘れのほうです。
伝える順番は、店内が先、ネットが後
値上げそのものより、「聞いていなかった」のほうが不満になります。特に常連さんにとっては、いつも来ている店の値段が変わったことを、ネットで先に知るのは気分のいいものではありません。
順番としては、まず店内の貼り紙とレジでの一言。そのうえで、同じ日か翌日にホームページやSNSに出す。この順にしておくと、常連さんは「直接聞いた」ことになります。数日ずらすだけで、受け取られ方は変わります。
貼り紙を出す時期は、切り替えの2週間ほど前から当日までのあいだが目安です。早すぎると、その間に駆け込みが集中して現場が荒れます。遅すぎると、知らせる意味がなくなります。
価格が書いてある場所は、思っているより多い
値段の直し忘れは、レジでのトラブルに直結します。古い価格を見て来た人にとっては、話が違う、ということになるからです。
洗い出す場所は、だいたい次の5つです。ひとつ、店内の値札とメニュー表。ふたつ、ホームページ。みっつ、Googleビジネスプロフィールのメニューや商品。よっつ、予約サイトや出前・デリバリーのサービス。いつつ、SNSのプロフィールや固定した投稿、価格が写り込んでいる過去の写真。
確認の仕方は単純です。自分のお店の名前でスマホから検索して、出てきたページを上から順に開いていく。お客さんと同じ手順を踏むと、自分では忘れていた場所が出てきます。紙のメニューを写真に撮ってSNSに載せていた、というのはよくある見落としです。
全部を同じ日に直せないときは、直す順番も店内が先です。少なくとも、店に来た人が見る価格と、レジで言う金額は必ず一致させておきます。
Googleの「最新情報」は使える。ただし残らない
Googleビジネスプロフィールには投稿の機能があり、最新情報・特典・イベントの3種類が出せます。価格改定のお知らせは「最新情報」で出せます。検索やマップの画面に直接出るので、見てもらいやすい場所です。
ただし、期間を設定していない投稿は6か月でアーカイブされます。つまり、いつまでも残る掲示板ではありません。値上げのように、あとから「今いくらなのか」を確認したくなる情報は、ホームページ側にも置いておく必要があります。
細かい話をひとつ。投稿の説明文に電話番号が入っていると、不承認になることがあります。「詳しくはお電話で」と書きたくなりますが、番号そのものは本文に書かず、プロフィールの電話欄に任せるのが無難です。
直すついでに、税込表示に揃える
お客さまに向けてあらかじめ価格を示す場所は、消費税を含んだ支払総額での表示が義務づけられています。値札、店内の表示、チラシやパンフレット、カタログ、そして飲食店のメニューが対象です。
一方で、見積書や契約書、請求書は対象外です。取引のときに作る書類で、あらかじめ掲げる価格表示ではないからです。
値上げは、この表示を揃える良い機会です。税込と税抜が場所によってばらばらだと、金額そのものより「よく分からない店だ」という印象が残ります。どこを見ても同じ書き方にしておくほうが、結局は説明の手間が減ります。
上げたあとに、何をしておくか
値上げの直後は、クチコミに書かれることがあります。返信するかどうかも含めて、対応の考え方は別の記事に書きました。感情的に返さないこと、それだけ守れば大きな傷にはなりません。
それから、すぐに元へ戻さないこと。反応が怖くて値段を下げると、次に上げるときはもっと言い出しにくくなります。上げた理由がはっきりしているなら、しばらくは動かさないほうがいいと思います。
理由を見える形にしておくのも効きます。仕入れが変わった、量を増やした、器を替えた。お知らせの紙に一行あるだけで、聞かれる回数が減ります。値段の話は、金額よりも納得のしやすさで受け取られ方が変わります。
この記事のまとめ
- 伝える順番は店内が先、ネットが後。常連さんに「ネットで知った」をさせない
- 価格が載っている場所は5つある。自分の店名でスマホ検索して洗い出す
- Googleの投稿は6か月でアーカイブされる。残したい情報はホームページに置く
- お客さま向けの価格表示は税込に揃える。見積書や請求書は対象外